話作り――展開でギャップを演出する

原作的な方

ギャップ200921

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2009年21号掲載のキャラ講座。ギャップに関する話ですね。

銀魂でもギャップをテーマにした話はありましたが、SKET DANCEでもやったようです。ただこれ、説明されている素材はギャップを解説するのに合っているような気はあんまりしないんですよね。

取り上げられているのは第1話の演出です。転校生に対するスケット団の異様な様子と、その転校生が巻き込まれた事件を解決する時の主人公ボッスンのセリフ。ここにギャップが有るように説明されているわけですが…。

確かにギャップあるのかもしれないですが、これボッスンのギャップじゃないんですよね。話というか、展開のギャップなんです。で、それを考えるには画像内にある情報だけでは足りてなくて。もう1つのことを合わせて考えないといけないんですよね。この第1話では、事件の犯人が彼らに相談を持ちかけてきた転校生その人だったことです。

ペンキ仮面と言われるペンキぶっかけ男にやられたという相談をスケット団に持ってきた転校生。ですが、実際には彼が自らペンキをかぶったのを人にやられたように見せていただけでした。しかし、実はそれも脅されていて…というところで転校生に対する救いが入ることになるんですが。

この「犯人が転校生」という展開が、第1話の肝であり、ギャップのシメとして取り上げられているのはそれが判明した後に、やむなく自分でペンキをかぶったんだという転校生にボッスンが友達なんだから俺だって同じ目にあってやると自分も頭からペンキをかぶった上で叫ぶというシーンなのです。

つまり、それまで視点キャラ的にスケット団を読者に見せる役割だった転校生が犯人だったこと、からの、彼が脅されてやろうとしていたペンキぶっかけを自らやるという流れにギャップを演出することができるんです。

序盤のおふざけキャラと、ラストの真剣な表情という違いでキャラのギャップ演出…というのも間違いではないんですが、それよりもこのシーンでは「流れのギャップ」という方がより重大なのではないかと思いますね。

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